情熱仕事人 vol.1 金属に、魂を込める。
アイシン福井のものづくりには、情熱がある。
アイシン福井は、「“移動”に感動を、未来に笑顔を。」の経営理念のもと、自動車部品のものづくりを通じて、クルマに乗る世界中の人々に走る喜びと感動を届けている。その部品には、開発から製造に至るまで多くの人たちが携わり、一人ひとりの情熱が込められている。
連載企画「情熱仕事人」は、情熱を燃やし、挑戦を恐れず、持ち場立場で使命を全うする仲間たちのストーリーである。
情熱仕事人:上田 慎
熱気を帯びた炉の前で、情熱を燃やし続ける男がいる。熱処理加工の最前線で活躍する上田慎(うえだしん)さんだ。
熱処理加工は、金属に熱を加え急速に冷やすことで強度・耐摩耗性を高める当社製品に欠かせない技術。熱の入り方で品質が左右されるため、多くの専門知識と経験を要する繊細な工程である。だからこそ上田さんは、質の高い製品を作るため、魂を込めてものづくりに挑んでいる。
上田さんは、熱処理加工一筋で現場に立ち続けてきた。上田さんの仕事における情熱は、どこから湧き上がってくるのだろうか。
Profile
●技能職 ●本社工場 熱処理製造室 本社熱処理加工グループ 第2係 第2組 ●趣味:お酒が大好き(県外に出かけたら必ず地酒を買って帰ります、妻にはいつも怒られますが笑)
上田さんの仕事への情熱
本社工場 熱処理製造室 本社熱処理加工グループ 第2係 第2組。ここには、24時間絶え間なく稼働する炉の前で熱処理加工の知識を深め技術を磨き続ける職長の上田さんの姿がある。
2020年、かつて所属していた第1係から第2係へ異動。第2係では炉の管理が主な業務となるが、当時の上田さんにとっては未知の領域だった。炉の扱いを誤れば火災などの重大な事故につながるリスクもある。そんな中、初めての休日出勤で炉の扉が閉まらず炎が上がり続けるトラブルに直面し、何もできずに立ち尽くすしかなかった。“知識を身に付けなければ現場が大変なことになる”、その悔しさが上田さんの学びへの原動力となった。関連部署に頼み込み、必死に知識を吸収。今ではトラブル対応を一人でこなせるようになり、「異常対応はやっぱり上田やな」と言われるほどの信頼を得た。その経験が上田さんに揺るぎない自信をもたらし、仕事への情熱がさらに燃え上がることとなった。
「ワンチーム」の精神が生み出す信頼関係
そんな上田さんが仕事を進めるうえで大切にしているのが、「ワンチーム」の精神だ。関わるすべての人を「ワンチーム」と捉え、前工程や後工程、間接部門、自部署内でも積極的に声をかけ、壁を作らない人間関係を築いている。助け合いながらスピーディに問題を解決する姿勢が、現場に信頼の絆を生んでいる。仕事中は笑顔で接することを心掛け、現場の雰囲気を明るくすることを意識している。会話力とコミュニケーションこそが、上田さんの最大の武器だ。
慣例にとらわれず最善を考え、徹底して無駄を削減する
また、係の目標である「ロスの低減」に向けて、日々の業務の中で無駄を見つけ、改善を繰り返している。「現場にはさまざまな無駄があり、それを見つけて仕事の質を上げていくことにワクワクしますね」。現場を俯瞰し、改善のアイデアを生み出し、それを仲間とともに実現する。その瞬間にこそ、上田さんは熱を帯びる。
上司から学んだ使命や経験を、次世代へ受け継いでいく
上司である工長の田中達也さんへの尊敬と感謝も忘れない。「安全と品質を誰よりも意識し、細かいところに目が行き届く人。やりたいことを後押ししてくれる」と話す上田さん。田中さんが常日頃話す「不具合品が流れて車両に組み付けられたら大変なことになるかもしれんのやぞ」その言葉を胸に、上田さんは熱処理加工の重要性と責任の重さを日々実感している。だからこそ、安全と品質には一切妥協しない。すべてはクルマに乗る人に“感動”と“笑顔”を届けるために。
「安全・品質に対する意識、熱処理加工の知識やノウハウの伝承も私の大事な仕事」とも話す上田さんは、専門性の高い炉の管理を担いながら、部下の育成にも力を注ぐ。部下の声に耳を傾け、さまざまな考えを受け入れ、上田さんが田中さんから受け継いだ仕事に対する使命や経験を次世代へとつなぐ。「職制として責任を果たさないと」。その言葉には、現場への誇りと使命感がにじむ。
笑顔で淡々と語る上田さんだが、その視線は熱処理加工グループの未来を見据えていた。
金属に、魂を込める。
上田さんの仕事に対する情熱から、熱処理加工の現場をより強いものにしていこうとする使命感を感じた。燃えたぎる情熱が、仲間を動かし、現場をより良くし、次の世代へと受け継がれていく。この情熱こそが、“金属に魂を込める”原動力と言えるだろう。
(記)人事・総務部 総務室 広報・社会貢献グループ 長谷