STAFF INTERVIEW

素形材生技部 熱処理生技グループ/2004年入社
工学部卒

J.Y

新しい技術を見つけ出す。“初もの”を
実用化していく面白さ。

01仕事について

5工程? 長すぎる。1工程に短縮しよう!

鉄製品の「強度」と「精度」。それは往々にして相反する関係にあります。金属は熱処理によって強度を増しますが、その過程で歪みが生じ精度は低下する。どうすれば強度と精度を両立させることができるか。そのためにこれまでさまざまなやり方が開発されてきました。
アイシン福井では薄い板状の部品づくりのため①プレス加工→②熱処理→③焼き戻し→④切削加工→⑤表面改質…という工程をとっていました。熱処理で強度アップ、その時生じた歪みに外力を与えながらの焼き戻しで補正、切削加工で精度を出し、仕上げは表面改質で再び強度を上げる。この5工程を経ながら、強度を上げる→下げる→再び上げる…という加工を施していたのです。
これを1工程で一気にできないか? 私が取り組んでいるのはそんなプロジェクトです。

夢の工法開発へもう一歩

しかしそんな夢の工法へは一足飛びに到達できません。2ステップで達成するロードマップを描き、その第1ステップに挑みました。そこで取り入れたのが、以前からぜひ試してみたいと思っていた「プレスクエンチ」という工法です。「クエンチ」とは高温状態の金属を急冷することで、強度をアップする焼き入れのこと。それを金型で拘束して行うのがプレスクエンチ工法です。鉄が真っ赤になる高温状態まで加熱した部品を金型内にセットし、一気に常温まで急冷し完了、というもの。具体的には①プレス加工(粗材)→②熱処理→③プレスクエンチという工程です。これによってコスト20%、CO2排出量32%低減が実現。また目標である①②③を同時に処理する夢の工法への道筋も見えてきました。

初ものづくしの開発で特許取得

この「プレスクエンチ」工法で特許を取得したのですが、開発は苦労の連続でした。どのような金型で拘束するか? 冷却をどのように行うか? 温度は? 量は? 時間は?…すべて手探り。答えは自分たちで見つけるしかありません。
そして工法開発以上に難しかったのが、量産工程への適用です。開発段階では生産個数はせいぜい数十個程度。しかし量産では月産数万個をつくらなければなりません。万単位の世界では、何が起こるか予測さえできない。そこでコラボしたのがAIを用いたビッグデータ分析でした(詳細はこちら)。
こうして一歩一歩、ある時は一気にジャンプして進んでいく。奥深いものづくりの世界へ分け入り、壁を乗り越えていく、そこに尽きせぬ魅力を感じています。

仕事について プレスクエンチの動きはこちらから

02会社について

塑性加工に魅せられて

入社後はずっとプレスと熱処理畑を歩んでいます。知れば知るほど奥が深い世界です。開発業務に携わってから最初に手がけたのは、プレスのせん断。大きな圧力で金属を引きちぎるように加工するのですが、その断面をいかに平滑にできるか、そのようなテーマに挑んでいました。プレス加工は一瞬ですから途中が見えない。分析技術が発達した今日でも未知のことが多くある分野です。
鉄は「固い」と思われますが、私たちにとって鉄は「柔らかい」。やり方次第で自由に形を変えられるし、熱を加えるといきなり数倍もの固さに変化する。そんな面白さがあります。また世の中の金属製の物のほとんどはプレス加工でつくられています。こんな面白い世界を、一緒に探求していきませんか?

会社について

03未来について

どんなものでも、つくってやる!

特に金属のものは、これまでもそしてこれからも必要とされ続けるでしょう。自動車や動力源がどう変わっていっても、そこにものがある限り、それがどんな形になったとしても、必ずつくってやる!そんな精神と培った技術をさらに磨けば、未来は明るいと思っています。

未来について

COLUMN

COLUMN

どんなところにやりがいを?

自分が担当した製品を搭載した自動車に道ですれ違ったとき。

「入社して良かった」と思うことは?

仕事を通して、世の中のさまざまな最新技術に触れられるところ。
もうひとつ。
入社してからリーマンショックや東日本大震災、コロナ不況…さまざまな出来事を経験してきましたが、経営はずっと安定しています。この安心感は大きいですね。

TIME SCHEDULE

08:30

出社、メールチェック、IT生産管理版・生産異常管理版の確認

09:00

製造に異常内容の確認

09:30

グループミーティング、 関連部署とのDRで進捗・課題報告

10:30

加工トライした際の設備データのまとめ

12:30

昼休憩(食堂)

13:30

安全ミーティング

13:40

加工トライ品の測定結果まとめ
(次回改善内容や調査内容を決める)

16:00

製造との定例打合せ(課題の共有)

17:00

打合せ内容まとめ議事の発信
次回加工トライ or 会議の準備(部品発注、帳票、会議資料作成)

18:00

退社

※撮影は新型コロナウイルス感染症対策を徹底したうえで行いました。

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